近年、産業・民生機器のコントローラ部分には衛生的なユーザインタフェース(UI)が求められています。空調のリモコンも例外ではなく、メンテナンスの簡単なタッチキーや非接触で機器の制御を行う音声認識、クラウドからの遠隔操作、といった機能の導入が検討されています。これからそれらの機能を搭載する製品を開発される方も多いかと思います。
一方、既存の産業・民生機器のメインシステム部に採用されているマイコンには、タッチキーや音声認識のようなUIを実装するための周辺機能が搭載されていないケースが多く、それらの機能を実装するためには追加の部品が必要となります。
現在採用されているマイコン以上の性能を持ち、それらの機能を1チップで実現できるマイコンがあれば便利だと思いませんか。ルネサスでは、その課題を解決するマイコンとして32ビットマイコンRX671をラインナップしています。
RX671は、タッチキー・音声認識向けの周辺機能を搭載し、クラウド接続を実装可能な性能(RXv3コア120MHz動作,フラッシュメモリ: 2MB,SRAM:384KB)を有しているため、それらの機能をワンチップで実現できます。よって、複数チップ構成に比べ、部品点数削減およびシステムの簡素化による開発期間削減が可能となります。
では、それらの機能を実際に評価できるリファレンスデモを紹介していきます。本デモは、エアコン制御のためのリモコン機能を想定したデモとなっており、音声やタッチキーによる送風開始・モード変更・設定温度の変更を行うことができます。加えて、AWSと連携して、クラウド上で設定温度を確認したり、クラウドから設定温度を変更したりすることができます。
このデモを使用する最大のメリットとしては、躓きやすいポイントである複数機能を1つのプロジェクトに組み込む方法を参照することができる点です。例えば、音声認識では、一定時間内に音声を処理するタスクを実行する必要がありますが、複数の機能を搭載するにあたってのサイクルの管理が躓きやすいポイントとなります。
本デモでは、複数機能が1つのプロジェクトにパッケージ化されて提供しています。なので、その方法を参照することにより、上記の課題をスピーディに解決し、PoC開発や製品開発の期間短縮・工数削減が可能となります。
また、このデモは入手性の高い市販の評価キットRenesas Starter Kit+ for RX671とクラウド接続評価用のWi-Fi Pmod 拡張ボードを使用します。
本デモの詳細を紹介している動画もありますので、ぜひご覧ください。
いかがでしたでしょうか、空調のリモコンを始めとした産業・民生機器のUIはメカニカルキーからタッチキーや音声認識、さらにはクラウド接続を用いた遠隔操作にシフトしつつあります。そういった社会の需要を満たすために作成した本デモをぜひお使いください。
また、RX671を紹介した記事もありますので、ぜひご覧ください。
進化し続けるIoT機器の要求にお応えする新製品RX671