顧客システムの高性能化を実現するRTOSベースの1GHz動作64ビットMPUのRZ/A3UL
RZ/Aシリーズの新製品RZ/A3ULは、最大動作周波数が1GHzの64ビットArm® Cortex®-A55コアを搭載し、RTOS(リアルタイムオペレーティングシステム)ベースのコンパクトシステム向けのMPUです。RZ/A3ULによりユーザは、リアルタイム性に優れるRTOSの利点を生かした高性能化が可能になります。特に、産業機器や家電、OA機器の液晶ディスプレイや操作パネル、音響機器やPOS端末などにおいて、電源投入からシステム使用開始になるまでの起動時間の短縮が期待できます。
部品数を削減して、小型かつコストパフォーマンスが高いシステムを構築
RZ/A3ULの評価キット(EVK)を構成するSMARC(「スマートモビリティアーキテクチャ」)モジュールボードには、ディスクリート部品で構成すると非常に複雑となる電源供給システムを、簡単に設計できるパワーマネジメントIC「DA9062」、プログラマブルクロックジェネレータ「5P35023」、フラッシュメモリ「AT25QL128A」、システムリセットなど各種周辺機能を実装したGreenPAK「SLG46538」などを搭載しました。これらの部品との組み合わせることにより、従来システムで搭載していた部品点数を減らし、また、PCBボードサイズも縮小することにより、BOMコストの削減に大きく貢献します。コスト削減だけでなく、リファレンスデザインとして活用することにより、開発期間の短縮、およびお客様の製品の市場への早期投入に寄与いたします。
お客様が製品仕様に合わせたメモリインタフェースを自由に選択
RZ/A3ULは、シンプルでコンパクトな基板設計が可能なOctal-SPIメモリインタフェース(I/F)を搭載しました。加えて、高速DRAMを接続できるよう、DDR3L/DDR4メモリI/Fを搭載した製品もラインアップしました。これにより、設計コストの低減か、それとも高速メモリ性能か、といったお客様のご要求に応じたメモリインタフェースを提供いたします。
製品開発の拡充が容易
RZ/A3ULは、LinuxベースのHMIを実現するCortex-A55コア搭載のRZ/G2UL、およびRISC-Vコアを搭載したRZ/Fiveとの間で周辺機能やパッケージに互換性があります。同じ基板設計を利用し、チップを置き換えるだけで異なる製品としての展開も可能で、例えばRTOSを搭載した製品からLinuxベースの製品への移行が容易になるなど、複数モデルへの展開を効率的に行うことができます。
メジャーなRTOSであるFreeRTOSとAzure RTOSに対応
RZ/A3ULは、業界をリードするメジャーRTOSである、FreeRTOSとAzure RTOSに対応します。
これら両RTOS用の豊富なミドルウェアが利用でき、RTOSベースの高速起動でコンパクトなシステムを低コストで構築することが可能です。RTOSとして最大のシェアをもつFreeRTOS については、 HALドライバを含むフレキシブルソフトウェアパッケージをリファレンスとして提供します。また、FreeRTOS ベースのGUIツールについて、他のRZ/Aシリーズと同様、商用GUIツールであるTES GUIlianiを提供、無償でご利用頂けます。
またルネサスは、RZファミリにおけるAzure RTOSのライセンスプロバイダとなっており、ユーザは高機能なAzure RTOSをGitHubよりダウンロードするだけで、GUIツールなどの商用レベルのミドルウェアを簡単にご利用頂けます。
お手軽にプロトタイピングが可能なRZ/A3UL評価キット(EVK)
RZ/A3ULの評価キット(EVK)をSMARC V2.1フォーム・ファクタに対応しました。
このフォーム・ファクタは高速に動作するMPU、DDRメモリなどを搭載したモジュールボードと、USB、LANなどのさまざまな周辺機器に接続するコネクタを備えたキャリアボードに分割でき、モジュールボードを交換するだけで、さまざまな機能と性能を備えたMPUをスケーラブルに評価可能になります。ルネサスが提供するモジュールボードと、ユーザがカスタマイズしたボードを組み合わせることで、複雑なPCB設計を行うことなく、短期間にプロトタイプシステムを開発することが可能となります。
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