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Akihiro Ooshima
大島明浩
技師
掲載: 2023年11月22日

製造業やインフラの現場での新たなトレンドとして、センシングデータを活用した予知保全や自動化が、注目されています。このようなトレンドの影響を受けて、センシングデータを出力するセンサ機器も進化をしており、正確な測定だけでなく、小型化やインテリジェント化、分散処理などに付加価値を見出すセンサ機器が登場しています。

ルネサスのRXファミリは、過去13年間に累計出荷数量が13億個を超えており、市場から高い信頼を得ているMCUファミリです。その中で、産業用センサ機器に最適な24ビットΔΣA/Dコンバータを搭載した製品がRX-Eシリーズです。その第一弾製品であるRX23E-Aは、ディスクリートのΔΣA/Dコンバータと同等以上の性能を持ち、その性能が受け入れられて温度調節計や重量計、圧力計などの計測部で数多く採用されています。アプリケーションによりA/Dコンバータの選択肢は異なるため、この度、新たなラインアップとして業界最高性能*1のΔΣA/Dコンバータを搭載したRX23E-Bの提供を開始しました。

*1 MCU内蔵ΔΣA/Dコンバータの中で業界最高性能を達成

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RX23E-B Block Diagram
図1:RX23E-Bブロック図

RX23E-AとRX23E-Bの大きな違いは、搭載されている24ビットΔΣA/Dコンバータのデータレートとノイズ性能です。RX23E-Aは、低速のアプリーションを得意としており、温度計測(熱電対、測定抵抗体)やひずみ計測(重量、力、圧力など)、ガス分析などアプリーションで、多く採用されています。一方、RX23E-Bでは、サポートできるアプリーションを中高速領域まで広げるために、高速性能とノイズ性能を強化しました。最大データレートは、ΔΣA/Dコンバータとしては高速に分類される125kSPSであり、RX23E-Aから8倍高速化を図っています。RMSノイズも、RX23E-Aから1/3程度に低減しています。その他の違いとして、RX23E-Bから16ビットD/Aコンバータや+/-10Vアナログ入力が新たに搭載されたことも注目すべき点です。

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RX23E-AとRX23E-Bの24ビットΔ-ΣA/Dコンバータの比較
図2:24ビットΔ-ΣA/Dコンバータの比較

RX23E-Bがターゲットとする中高速領域のアプリケーションとしては、データアクイジション(DAQ)や力覚センサなどがあります。これらアプリケーションは、最速で10usec(100kSPS相当)の計測に対応する必要があり、高速かつ低ノイズが要求されます。RX23E-Bは、これらアプリケーションで要求される標準的なスペックを十分満たしています。

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標準的な仕様とRX23E-Bの比較
図3:標準的な仕様とRX23E-Bの比較

RX23E-Bでは、ラインアップ展開も強化しており、様々な用途に応じて、最適な製品を選んで、速やかにモデル展開することができます。ΔΣA/Dコンバータは、データレートが最大125kSPSの製品に加え、最大31.25kSPSの製品も用意しました。パッケージは、40ピンから100ピンまで用意し、小型が要求されるアプリケーション向けに5.5mm角の100ピンBGAもあります。

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RX-Eシリーズのラインアップ
図4:RX-Eシリーズのラインアップ

RX23E-AとRX23E-Bには、上記のような違いはありますが、基本的なコンセプトは同じで、小型化や分散処理など新な付加価値を提供することにあります。小型化や分散処理などの事例については、また別の機会にご紹介したいと思います。

最後に、今回ご紹介したRX23E-Bの開発用スタータキット「Renesas Solution Starter Kit (RSSK) for RX23E-B」は、GUIベースのツールQE for AFEが付属されており、ソフトウェア開発なしに、AFEの評価をすぐに開始できるようになっています。また、RSSKを使ったアプリケーションノートとサンプルプログラムもご用意しておりますので、応用評価にもご利用頂けます。既に販売も開始していますので、是非、RX23E-Bの導入評価にご利用ください。

より詳しい情報については、RX23E-BRenesas Solution Starter Kit (RSSK)for RX23E-Bをご参照ください。

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