~新開発の同期整流型降圧プリレギュレータ「RAA271050」と7チャネルPMIC「RAA271000」を組み合わせた電源ソリューションにより、電力損失とシステムコストを低減し、設計時間を短縮~
ルネサス エレクトロニクス株式会社(CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、先進運転支援システム(ADAS)の車載用フロントカメラおよびドライバモニタカメラ向けのR-Car V3H SoC(System on Chip)用に、最大42V入力対応の同期整流型降圧プリレギュレータ「RAA271050」と7チャネルのパワーマネジメントIC(PMIC)「RAA271000」のサンプル出荷を、本日より開始しました。新製品は、本年7月より量産を開始する予定です。
同期整流型降圧プリレギュレータRAA271050は、バッテリーからの12V電源を入力すると、3.3Vまたは5.0Vの電圧に降圧します。これをPMICであるRAA271000に入力すると、R-Car V3Hが必要とするCPUやLPDDR4メモリなどの周辺機能で求められるさまざまな電圧に降圧し、7チャネル出力します。RAA271050とRAA271000はどちらもISO-26262規格に準拠して開発されています。RAA271000には、安全監視機能を内蔵しているため、外付けのマイコンなしでも電源供給、監視、保護の機能を実現し、ASIL Dまでのシステム安全要件に対応可能です。この2チップ構成よる電源ソリューションは、R-Car V3Hが必要とするシーケンス、電圧精度、負荷ステップ応答などの電力仕様を満たしています。
このR-Car V3H向け電源ソリューションは電力効率にも優れており、他社のPMICを使用した場合と比較して、同等の動作条件で電力損失を最大33%低減できます。電力損失が低いため、より高い温度で使用した場合でも、冷却コストを削減し信頼性を向上できます。さらに、外付けマイコンが不要なため、BOMコストと基板面積も削減できます。ルネサスはまた、RAA271050とRAA271000を搭載したR-Car V3H用のリファレンスボードデザインの提供も開始します。これにより、ユーザの設計時間の短縮と、テスト要件の低減に貢献します。
ルネサスの車載アナログパワー&ビデオ事業部、Vice PresidentのNiall Lyneは次のように述べています。「この新しい電源ソリューションは、ルネサスの電源設計の専門知識を活かし、R-Car V3Hを使用するお客様に向けて大幅なコスト削減を実現します。そして、動作検証済みのリファレンスデザインにより、設計者は最新のADASカメラアプリケーションを迅速かつ効率的に実装できるようになります。」
R-Car V3H向け電源ソリューションの主な特長
- プログラム可能な出力電圧、シーケンス、I/O構成、保護機能により、R-Car V3H以外のSoCにも柔軟に使用可能
- 最大16個の外部出力を持つ内蔵12ビットSAR型A/Dコンバータが外部信号を監視するため、システムとしてのA/Dコンバータの追加が不要
- DVFS(Dynamic Voltage Frequency Scaling)機能により、出力電圧を調整して消費電力を最適化
- スペクトラム拡散クロック(オプション)によりEMIを低減
- R-Car V3H SoCのアクティベーション機能をサポート、SoCのセルフテスト手順を効率化
- RAA271050は22ピン4x4mm QFNパッケージ、RAA271000は、60ピンのFCBGAパケージ
新製品の詳細については、こちらをご覧ください。
同期整流型降圧プリレギュレータRAA271050について:www.renesas.com/RAA271050
7チャネルPMIC、RAA271000について:www.renesas.com/RAA271000
ADASカメラ用ターンキーソリューションについて
RAA271050ならびにRAA271000とR-Car V3Hの組み合わせは、ルネサスのウィニングコンビネーションの一環であり、LUPA-Electronics GmbH社のADASフロントカメラソリューションのEagleCAMカメラモジュールに搭載されています。このモジュールは、オープンなターンキーソリューションであり、柔軟で高性能な画像認識を実現するとともに、市場投入までの時間を短縮し、BOMコストを削減します。EagleCAMカメラモジュールの詳細については、こちらをご覧ください。https://www.renesas.com/EagleCAM
R-Car V3H SoCについて
R-Car V3Hは、自動運転レベル2+までの量産車に向けた車載用フロントカメラ、サラウンドビュー、自動パーキング、モニタリングシステムなど、最先端のスマートカメラアプリケーションのためにディープラーニング性能に優れたSoCです。リアルタイムドメインにおいてASIL Cの安全目標に対するメトリクス値をターゲットとしており、センサフュージョンや制御指示を管理するための外付けのセーフティマイコンの削減も検討可能です。認識処理やレーダ、LiDARとのセンサフュージョンを最適にサポートする各種IPや、8メガピクセルのカメラに対応するISP(Image Signal Processor)を搭載しています。詳しくはこちらをご覧ください。https://www.renesas.com/r-car-V3H
以 上
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